東京葬儀｜葬儀 事件簿8️⃣

7️⃣からの続き

数十年も前の出来事なのに、いまだその時の事は

鮮明に覚えています。

社長様のあとをついて歩きながら、葬儀の備品の名称や何の為に必要なものかを、教えてくださるのですが、メモを取るので、精一杯な私。

そして、1番ちんぷんかんぷんだったのが、お寺さまとの打合せである…

聞いたことのない言葉の羅列は、まさに衝撃であった。

でも、この時間だけは、メモを取ることもはばかられ

頭の中に一言でも多く留めておくことだけを考えながら同席をしていた。

いまでこそ、仏教用語も理解しているつもりだが、その時の私には、英語かフランス語のように遠く聞こえていた。

何よりも、お寺様の存在が、神のように崇められていることに驚きであった…

（仏教なのに、神？変なたとえだが、とにかく奉られていたのだ）

そして、通夜と葬儀を見学させていただき、社長様の司会に、又々、衝撃を受けたのであった。

専門的なアナウンス技術とかでは、表すことのできない世界観がそこにはあった。

まさに神々しく、光って見えたのだ🌟

そして、この時に、私はこの業界で生きていこう！と秘かな決意をしたのであった。

葬儀後、その社長様からのお言葉

「合格」

「私の持っているものを、あなたに授けましょう」

私は、2日間何もしていない、見学させていただいただけなのに、何が合格？

素直に言葉にして聞いてみた…

「すべての場面において、空気を読む力があった。

たかが、見学、されど見学！素晴らしかった」

まだ、その言葉を聞いてもなかなか理解はできなかったが、帰りの長い車中にて、これが、苦しんでる人を助ける道なのだろうかと自問自答！

心の中の秘かな決意は、やがて確かな決意へと変わり

そこから、怒涛の日々が始まったのであった。

9️⃣へ続く

女性が葬儀の世界へ参入する大きな壁が立ち塞がっていたのだ…